9/26/2015

msb!ニュース September

ごあいさつ
猛烈に暑い日は少なかったけれど、いつまでも暑さが続いた今年の夏。それでも支部展搬出の次の日の日曜日から急に秋の気配が広がって、今や日ごとに夏が退場していくようですね。
ご紹介させていただきます。私は今月からニュースレターを書くことになった神舘美会子(ミタチ ミエコ)です。1968年の卒業で、専攻は油絵科です。1968年というと支部会メンバーの中にはまだ生まれていなかった方も多くいらっしゃると思いますが、年代の違いを越えて一緒に仕事をするのがAlumniの楽しいところです。
3年前、支部会の最初の展覧会がクイーンズのロングアイランドシティーで開かれた時、展覧会にはまいりましたがその後ずっと会には参加することなく、私がこの支部会に入会したのはほんの数ヶ月前です。それから、長い年月ほとんど思い出したこともない遠い日々がよみがえってきました。
空と大地だけの思い切り広々とした武蔵野の野に学びの舎がありました。中央線高円寺の産の私には感動とさえ言っていいのびやかな大地でした。私は広々とした大地に立った最初の日を今もくっきりと覚えています。
けれども私たちの学年は鷹の台の校舎には2年だけで、後の2年は今は通信教育にのみ使われているという吉祥寺の校舎に移ることになりました。秋の芸術祭も鷹の台校とは一緒ではなかったので、もう一度鷹の台へ行ったのは卒業式の時だけですが、鷹の台での2年間の思い出は特に武蔵野の原野と切り離すことは出来ません。
先日支部展のオープニングの会場で、卒業生の一人の方と話をしました。学校から鷹の台の駅までの辺りは、私が通っていた50年前の面影などないでしょう。当時は正門前も駅までの道も畑が続き、家がちらほらある程度でした。と話しているうちに玉川上水の話になりました。ところがその方の話では、文豪、太宰治が入水自殺した玉川上水は昔とあまり変わっていないそうですよ、ということでした。その途端に、私の足は50年前の玉川上水の細い小道の土を踏みしめていました
朝はたいてい国分寺の駅からバスに乗っていましたが、帰りは玉川上水の林の中を歩いて津田塾大学の方面に抜け、国分寺の駅まで歩いて友人達と話しをしながら帰ることもありました。
こんなことを思い出させてくれるのも、学び舎を共にした方々と集う機会があってのことです。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

第2回 むさび展
今回の展覧会の会場になったGallery MCはマケドニアのギャラリーで、オーナー及びギャラリーの主要な人々も親日家とか。支部会のリーダーとも言える依田寿久さん、依田順子さんはギャラリーと長年の友達付き合いで、お二人とも個展、二人展、マケドニアのアーティストとのグループ展にも参加しているという間柄。そんな関係でお二人がギャラリーに交渉して下さり今回のショーの運びとなったのです。
第一回目の展覧会の会場だったResoboxは、あまりにスペースが小さすぎましたが、今回のGallery MCはちょうどよい大きさで、ゆったりと作品を並べることが出来ましたし、ちょっと暗めの照明が落ち着いて作品を見られる効果を出していました。場所がサブウェイの駅から遠く、ちょっと不便なのでどれくらいの人が集まるかなと思っていたら、満員というくらいの沢山の人が来てくださいました。
またGallery MCについて、私は今までに数度、依田さんご夫妻のショーには行っているので、スペースは知っていたのですが、今回ご夫妻のご努力でMCに決まったと聞いた時には、咄嗟にムサビには合っているギャラリーだなと思いました。
校風というのがあります。ムサビは私が学生だった当時(50年前!)、「ムサビの性格は野武士的」と言われていました。野武士というのは既成の体制には迎合しないアバンギャルドですから芸術家には必要なものですね)
何しろ50年前のことですから今はどういう風に言われているのかは知りません。でも校風というのは案外変わらないものではないかと思います。それは次々に引き継がれていくものですから。別の言葉で言えば伝統。伝統は長い年月、そこで学び、育った人々の形成したものです。
オープニングに来場していた一人の人の話。「展覧会は中々良かった。そしてもう一つおまけがついていたのも良かった」
「おまけ」というのはあの手動式エレベーターのことです。今はもうあんなエレベーターを見ることはほとんどなくなりましたが、かつて、(30年くらい前まで)ソーホーやトライベッカがビジネスピープルに占拠される前、ほとんどのロフトがアーティストの住処だった頃はロフトのエレベーターには手動式のものが結構あったのです。ロフトは、元は倉庫、あるいは工場に使われていたのですから大きな物を運ぶにはあの様なエレベーターの方が便利だったのでしょう。
そういう今では珍しい場所で展覧会を開くというのもムサビっぽいと言えるかもしれません。

新人賞のお知らせ
 金子れいこさんに新人賞が決まりました。これを機会にどんどん良い作品を創られることを期待いたします。

二つの展覧会のお知らせ
メンバーの二人の方の展覧会のお知らせです。

Maho Kino
 
エッチングのオレンジ色の画面の中に一粒のピーナッツ。
一粒のピーナッツの表現するものは萌芽。生まれでる心のときめき。視覚という手法で表現された詩。それは美しい日記帳です。
展覧会は11月7日までです。ぜひお出かけください。


"In Pursuit of Freedom"
September 13 - November 7, 2015

Sundays 12-6 and by appointment
Corridor Gallery​
334 Grand Ave. Brooklyn, NY11238



Yoshimi Tanaka
 
支部展に出品されていた作品は、黒い塊の中に不思議な力がこもっているのを感じさせる彫刻でした.
オープニングは10月3日です。ぜひお出かけください。

"The Third Annual National Ceramic Show"
Opening Reception – Saturday, October 3, 1:00-6:00pm


Awards Ceremony – Saturday, October 3, 3:00pm
Special Clay Events  – Saturday, October 17th & Sunday, October 18th
Gallery Hours: 1:00 – 6:00pm (weekends only)
481 Van Brunt Street door #7 upstairs Brooklyn, NY 11231
多摩美展
多摩美術大学交友会ニューヨーククラブ展覧会が9月16日から2週間(9月29日まで、月曜日もオープン)開催されています。
今年で4回目になる天理ギャラリーは高い天井、真っ白な壁、明るい会場。多摩美の校風に合っているなーと感じるスペースです。
メンバーの作品展示の他、メンバー及びメンバーの友人など有志による葉書サイズのアート作品も100点以上展示されています。1点50ドルで、売り上げはニューヨークでは小学校のアフタースクールプログラムや、その他の教育活動を続けているChildren Aid Societyを通じて「未来を担う子供たちへの教育援助プログラム」へ寄付するという企画だそうです。こちらも結構面白いです。あと2日しかありませんが、お時間があったらお出かけ下さい。
天理ギャラリー
43 West 13 Street, New York NY 10011  http://www.tenri.org
時間 12-6pm() 10am-3pm ( ) 金、日、休み  (最終日  29日は 5pmまで)
最後に一言付け加えさせていただきます。私は今回からニュースレターを書くことになりましたが、何しろコンピューターは基礎的なWordの操作, Eメールと簡単なウェブ検索、アマゾンでのお買い物、ということしか出来ないアナログの人なので、文章は私が書きますが、画像の挿入、画面のレイアウト、送信など最後の仕上げは引き続き小柳津さんにお願いすることになります。小柳津さん、ありがとうございます。



筆:神舘美会子 企画、編集:小柳津美香 









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