12月の街を歩いていると、どこからともなくモミの木のたっぷり とした緑の匂いが漂ってきます。毎年の風景だけれど、北国の山で 育ったモミの木が歩道の半分くらいを埋めているのに出会うと、「 ああ、もうクリスマスだなー」と感慨深くなります。昼間の間はク リスマスソングなどを流しているのが、午後も5時には薄暗くなり 、急に人通りが途絶えた日暮の街角の豆電球の下、積まれたモミの 木の艶やかな深い緑を吸い込みながら足早に通り過ぎる人々。 また、足を止めてモミの木を買い求める人。
そんな12月の街の風景は冬の風物詩、Poetryと言えるでし ょう。
《遊真あつこさんの個展》
多様な表現手法を駆使してアート活動する遊真あつこさんが、チェ ルシーのギャラリーで個展をされます。14点のキャンバスと、 木のパネルの大作の油絵作品です。
〈Walter Wickiser Gallery〉
210 Elevens Avenue Suite #303, New York ,NY 10016
会期:January 4th – January 31th /2018
Reception : Thursday, January 18th, 2018, 6 – 8 pm
Atsuko Mu Yuma’s Exhibition Concept
タイトル:Fruition – 結実
人の生とは、樹のようなもの。樹の成長は決して早いものではあり ません。でも樹は成長する。それは生命の樹。
すべての人の生のゴールは果実です。私の生命の樹も少しずつ、少 しずつ成長してきました。そして今、私はやっと、私の生命の樹に 実る果物を見るのです。
宇宙の力の発見。私はそれを探し続けてきました。私たちは何処か ら来て、そして何処へ行くのかと。私のアートは生命の不思議を追 及すること。すべての在るものを繋ぐ、死と愛の力。過去、現在、 そして未来は循環する環なのです。
私が日本人であることはアーティストとしての想像と創造にとても 大切なことです。そして私の仕事は未来的であると同時に原始的で もあります。
私の長年の努力、創造に対するビジョンと情熱は、それらのコンセ プトに基づいています。
——今回の個展について、遊真さんはこのようにのべられています 。——
「個展のタイトルは“Fruition” —結実、 といたしましたが、これからが真剣勝負です。アートの道は長くて 厳しいものですが、やっとやっと私の人生の木に少しだけですが実 がつき始めているのか?との意味です」
《西田翔冠さんの展覧会》
展覧会の開催日も今月末28日までと残り少なくなりましたが、西 田さんがチェルシーのPRINCE STREET GALLERYNOグループ展に参加されています。また、来年4 月24日から5月19日まで同ギャラリーで個展をされます。
ソーホー地区がSHO( South of Houston)という名を与えられ、現在のソーホーが誕生した 頃, 1970年にオープンしたPrince Street Galleryは,超コンテンポラリーの大型作品の多いソーホー のギャラリーの中で、ほとんど唯一の、と言っていい、徹底したコ ンセプトに基づいて具象画を扱うギャラリーでした。現在のチェル シー地区のように隣もその隣もギャラリーという時代、New Artの洪水を抜け出し、Princeストリートと Green ストリートの角にあったPrince Street Gallery に立ち寄ると、そこには「絵画」がありました。 ほっとするような気持で中に入ると、キャンバスという、限られた 世界の中に込められた作家の対象への深い思い入れが感じられ、 絵の前に立ち尽くしてしまう事がしばしばでした。
そして、西田さんの作品にも、いかにして対象を一枚の画布の中に 表現し切るか、という努力と凝視がキャンバスから伝わってきます 。
Prince Street Gallery
530 West 25th Street New York NY 10001, 4th floor
T: 646-230-0246
《ニイゼキヒロミさん、Queens Museumでグループ展》
インスタレーション—— 作家がモノを設置することによって空間 を構成して、作家が意向する場を創出し、空間全体を作品として人 に体験してもらう。インスタレーション作家のニイゼキさんがクイ ーンズ、コロナパークにあるクイーンズ・ミュージアムのグループ 展に参加しています。
封筒の窓をつなぎ合わせ、それでテントを作る。来場した人はその 中に入って封筒の窓を通して外を見る。中に入るとノートがぶら下 がっています。そこにはノートと一緒に鉛筆もぶら下がっていて、 「何が見えますか?」と書かれています。
今年9月に屋外(Art intervention)で発表したもののダイジェスト版の作 品をこの展覧会では展示しています。
タイトルはDwelling (住居)。
また、展覧会とは関係ありませんが、ニイゼキさんのオススメは、 ミュージアムの大ガラスから真ん前に見える1964年の万博の大 きな地球儀です。屋外で見るのと、大ガラスを通して見るのとは違 うと感じるのは、ニイゼキさんの「封筒の窓を通して見えるもの」 というコンセプトに影響されたのか、SF映画の宇宙船から宇宙に 浮かぶ地球を見ているような気分になったことです。
地球儀の下には、ニューヨーク市のあちこちにフェンスを造ってい るアーティスト、Ai Weiweiのcircle Fenceがあります。
「雪のコロナパークの散歩も気持いいですよ」とニイゼキさん。
Queens Art Intervention : Dwelling
期間:December 11 – January 19 / 2018
会場: Queens Museam
New York City Building, Flushing Meadows Corona Park Queens NY 11368
T : 718-592-9700
F : 718-592-5778
Wednesday through Sunday, 11am – 5pm
ニイゼキさんのウエブサイトです。楽しくなる作品が満載されてい ます。
《田中美路さん、gallery Onetwentyeight new Year Showに参加》
ファインアート、アクセサリー、陶器、と多才な活動をされている 陶芸アーティストの田中美路さんがローアイーストサイドのGal lery Onetwentyeightのニューイヤー・ショーに陶器の作 品を出品されます。
Gallery Onetwentyeight New Year Show
会期:January 3 – January 20
Opening Reception : Saturday January 6 , 5-8 pm
Address : 128 Rivington Street New York NY 10002
Transportation : F Train to Delancey Street, M Train to Essex Street.
ニューイヤーの展覧会なので、オープニングの日は日本の踊り、書 き初めのパフォーマンスなどがあります。
《大野廣子さんが東京でのグループ展、「新春小品展」に参加》
ニューヨークを中心に日本、ヨーロッパと精力的に活躍されている 大野さんが東京での小品展に出品されています。
展覧会名:「新春小品展」
会場:ぎゃらりー由芽
会期:2018年1月13日(土)〜1月28日(日)12:00 〜19:00
最終日は16:00まで( 木曜休廊)
《ぎゃらりー由芽》
東京都三鷹市下連雀4−15−2 ホワイトマンション101
tel & fax 0422-47-5241
《依田順子さん、依田寿久さん、依田洋一朗さん“Intern ational Group Exhibition”に参加》
依田さん御一家が一昨年にムサビ展を開催したGallery MCで企画、開催されるインターナショナル展に参加されます。日 本人作家は依田さん御一家3人を含む4人、マケドニアの作家2人 、アメリカの作家7人、韓国の作家8人というインターナショナル な展覧会です。
展覧会のタイトルは
“Personal Identity Matter 2018” – international Group Exhibition
期間:January 30 (Tue) – February 10 (Sat) 2018
Opening Reception : January 30 (Tuesday) 5:00 pm – 9:00 pm
場所:Gallery MC
549 West 52nd Street, 8th floor New York NY 10019
T: 212-581-1966 www .gallerymc.com
《神舘美会子さん、” The 19 th Annual WAH Salon Art Club Member’s Show” に参加》
《19th Annual WAH Salon Show》
期間:January 20 – February 18, 2018
Opening Reception : Saturday, January 20 From 4 – 6 pm
〈The Williamsburg Art & Historical Center 〉
135 Broadway Brooklyn, NY 11211
718—486-6012 or 718-486-7372
M Train to Marcy AV , Walk to west on Broadway 5 minutes.
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年の終わりを「暮れ」と言いますね。暮れる、日が暮れる。夕暮れ の後は夜、夜は睡眠の時、睡眠は疲れを取り、目覚める朝は新しい 1日。そしてそれは年にもなぞらえることが出来ます。
「新年」、そのフレッシュな言葉の響きは、私たちに再び活力を与 えるようではありませんか。その特別な朝を、私たち日本人は「 元旦」と呼びました。新しい年、新芽、新たな芽が膨らむような、 そんな新しい年をイメージしてみると今年は何かができるぞ、と力 が湧いてきます。
この2年4ヶ月、私の拙い文にお付き合い下さり、ありがとうござ いました。
皆さまの新しい年が希望と幸せに満ちた年でありますように。
筆:神舘美会子
企画、編集:小柳津美香
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